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ユキノオモイデ

今日は東京では雪が降っている。朝と言うか昨日のうちから雪が降るとか、電車が止まるとか、出勤するとか、東京終了とか、東京ざっこwとか大きな影響があるだろうようなことが言われている。前回こんなに大雪が降ったのはいつだろうか。あまり思い出せはしない。

自分も雪の煽りを喰らい、今日は定時前に退社することとなった。もちろん許可は取ってあるから問題はない。

帰りの道でも雪に煽られながら家路を急ぐ人たちで大勢であった。皆一様に傘を刺していたが、肩に雪が乗っていたり、頭に乗っている人もいた。
皆何を考えているのだろうか。概ね、早く家に帰りたいだの、電車が満員でうざいだの、早く帰れてラッキーだのあるだろうが、僕はきっとただ一人、違うことを考えていた。

それは、幼馴染?腐れ縁?の女の子のことである。

名前は「オガワユキノ」ということにしておこう。

ユキノと僕は幼稚園小学校中学校高校大学と全て同じ場所に通っていた。まさに腐れ縁と言うべきだろうか。学生時代にはどんなときでも彼女の顔があった。
と言っても、僕たちは特に仲が良かったわけではなく、幼馴染の関係性ではよくある家が近所だとか、母親同士が仲良かった、とかその程度の理由で昔からよく知っているだけの関係であった。きっと会話もそんなにたくさんしたこともないと思う。今は何をしているのか知らないし、特に連絡を取っていないどころか連絡先すら知らない。

そんなわけで学生時代を同じ学舎で過ごしたとは言え、そんなに関係があったわけではない彼女を、もう何年も顔を見ていない彼女を、どうして雪の降る、吹雪いている日に思い出しているかというと、彼女が、本当に冬の似合う、雪の似合う女の子であったからだ。

そういうと彼女の容姿がきっと肌が白くて、黒髪ロングストレートで、なんか憂鬱気な表情をいつもしていて全体的に儚い雰囲気を纏っていると思うかもしれないが、別にそういうわけではなかった。
外見は言及をしすぎると特定の恐れがあるから深くは言及はしないが、街中でよく見る普通の学生を思い浮かべてくれれば十分である。しかも性格は勝ち気なところがあって、僕と話すたびにお互いを煽り、それで笑い合ってたような女の子であった。

ではそんな彼女が、なぜ冬の、雪の似合う女の子として僕の中でイメージ付けられていたのか。

僕が今の住居に引っ越す前、まだ彼女と家の距離が近くてかつ、帰りにたまに会って少し話をして別れる程度の距離感だった頃、小学生か中学校1年生くらいのことだろうか。

ある雪の降る、確か吹雪いていなかったか、まぁ今日のような日に、下校の途中、僕は彼女が前を歩いていることに気がついた。雪が降っていたのでもちろん傘を刺していた。その当時はまだ普通に会話ができる時代であったから、声をかけようかなと思いはしたが、雪の降る中駆けていくのは面倒だと思ったのか、ともかく声をかけなかった。ただ彼女と同じ道同じ方向を同じ速度で熱くだけだった。途中僕が何を思っていたのかまでは覚えていない。

お互いの家の近くを歩いている時、僕の少し前を歩く彼女がふと足を止めた。家の近所とはいえまだ足を止めるには早い距離。何があったのかなと思いつつも、早く家に帰りたかった僕がひと声かけて追い越そうと思い立った時であった。

彼女は傘をくるくると回し始めた。傘に積もった雪がポロポロと落ちてゆくそれだけだと、雨の時と同様に傘を回して遊んでいるだけだが、僕も足を止め、彼女の行動を見守ることにした。僕の前で彼女の傘がくるくると回っている。雪はポロポロと落ちる。普段はそんなことをしないで傘を人に向けて開閉を繰り返して遊んでいる彼女だったし、家の前で傘の雪を振り落とすにしては勢いが弱いし、家からはまだ距離があるしでその行動の真意が謎だった。

もうちょっと近づいてみよう。僕はそう思い歩き始めた。なるべく足音を立てずに彼女の時間を邪魔しないように。

近づいても彼女は傘をくるくるしている。こちらに気がついているのかわからない。気が付いたらその時点で雪玉投げてくるような女の子であったから気がついてはいないと思う。

彼女の顔が見えるまでの距離まで近づいた時、雪が、吹雪が一瞬止んだ(気がした)。日が差した(気がした)。彼女の周りだけ日の光で明るくなり、彼女は、光る雪の結晶を纏っているように見えた。
そしてその顔も、普段見せるドヤ顔、勝ち誇ったような顔ではなかった。彼女は、僕が彼女と知り合ってから一度も見たことのない顔をしていた。泣きそうだった。
その顔は少し触れただけでも崩れてしまいそうで、僕は、声をかけるのをためらった。ためらって、ためらってなにもせずに声すらかけずに逃げ出した。なにか触れてはいけないような気がした。

家に帰っても彼女のその姿が忘れられず、冬なのに熱を感じていた。その日は一日雪が降り、雲の隙間から日が差すことは一切なかったという。

そんな姿を見ていて以来、僕の頭では光る雪を纏いながら傘を回す彼女の姿が焼き付いてしまった。高校生になったら、彼女は僕とはまるで違う世界の人になってしまったから、話すことは全くなくなってしまったけれども、それでももちろん帰り道などは被るのでたまに時間が被る時があったりすると、姿を見かけたりする。
傘を刺しているときなんて本当によく昔の事だけど、まるでつい先日かのように、傘を回す彼女の姿を思い出すことができた。らしからぬ儚げな顔をしながら光る雪をその身に纏いながら傘を回す彼女の姿を。

大学も一緒だということには本当に驚いた。まさかここまで一緒になるとは思ってなかった。彼女は国公立を目指していたから。よもや私文の自分とは違う道に行くだろうと思っていたが。
同じ大学に行くとわかってからは、また少しずつ会話もするようにはなっていった。といっても彼女はとても意地悪だったから、連絡先は全く教えてくれず、通学路や構内で会ったときにだけ少し煽り合う程度だったけど、その時間が、付き合い方が、昔と変わらないでいて僕は好きだった。

大学時代は残念ながら傘を刺している姿を拝むことはできなかったが、会話をするようになったあたり、高校時代にお互いにあった雪は氷は溶け切って昔と変わらない付き合いができると思いこんでいた。

だが、完全に溶け切ってしまったら昔も、今も、未来も何も残らない。

彼女と僕が最後に話した会話はなんだっただろうか全く覚えていない、大学の通学路で少し会話をしたはずだが何も覚えていない。前述のようにもう何年も顔を見ていないし連絡先も知らない。彼女の存在は、僕の中でどこに行ってしまったのか。なにもわからなくなってしまった。
あの雪の降る日の謎の行動の真意ももう10年以上が経ってる今でもわかっていない。

それは



























今までの話が全部嘘だからかな。

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霜総湊

Author:霜総湊
ギターやDTMを少しかじってる程度のただの二次元オタク。文章力の無さに定評がある。

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